人間工学
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動的な使用状況におけるモバイル機器の操作性に関する研究
環境制約要因の影響において
山際 孝幸吉村 勲
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2007 年 43 巻 2 号 p. 88-96

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抄録

近年, 多くの機器のモバイル化の進展とともに歩行中の通話・交信やデータの送受信といった使用状況が多様化し, 利便性と共にそれらの操作性の問題 (誤入力・誤操作など) や安全上の問題 (交通危険など) などの発生が懸念されてきた. これは, 従来 (屋内据置での使用状況) と比較してより多くの外的要因 (時間制約や身体制約, 群衆密度など) からの影響を受け, 機器操作以外の動作 (歩行など) や注意 (周囲確認など) を伴うことに起因するものと考えられる. よって本研究では, 動的な使用状況における環境制約要因 (時間制約, 身体制約, 群衆密度) がモバイル機器の操作性および外界認識行動に与える影響について各指標 (エラー率, 操作時間, 周囲確認回数, 操作速度) から検討・考察し, いくつかの環境制約要因においてその影響が認められた. 本研究の結果が, 歩行中操作の誤入力・誤操作の低減や操作中歩行の安全確保について有効な知見となることが期待される.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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