物理療法科学
Online ISSN : 2758-1063
Print ISSN : 2188-9805
症例報告
慢性期脳卒中上肢麻痺に対するボツリヌス療法と二筋同時電気刺激装置の併用効果
山川 浩二渡辺 真弓石井 良枝大戸 元気加藤 貴志井野邉 純一
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2016 年 23 巻 1 号 p. 50-56

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抄録

【目的】セラピストのスイッチ操作にて通電可能な二筋同時電気刺激装置を使用した電気刺激療法と,ボツリヌス療法を併用し,慢性期脳卒中患者の上肢麻痺に対する治療効果を検討した.【方法】対象は右橋脳梗塞による左片麻痺を呈し,発症から6年経過した60歳代女性.二筋同時電気刺激装置による治療は,肩屈曲等(5種類)を口頭指示し,その主動筋に対し随意運動に合わせた電気刺激をそれぞれ100回ずつ行った.1日1時間の治療を7日間実施し,評価にはModified Ashworth Scale (MAS),Fugl-Meyer Assessment (FMA),Motor Activity Log (MAL)を用いた.【結果】7日間の治療後,MAS,FMA,MALの改善がみられた.表面筋電図では肩屈曲動作時の上腕二頭筋の筋活動低下,上腕三頭筋の筋活動増加がみられた.【結論】脳卒中上肢麻痺に対するボツリヌス療法と二筋同時電気刺激装置の併用により上肢麻痺筋の随意性の向上・協調性の改善がもたらされた.一症例であるため今後さまざまな検討が必要であるが,慢性期脳卒中患者における機能改善の可能性が示唆されたのではないかと考えられる.

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© 2016 一般社団法人 日本物理療法学会
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