論文ID: 2024-016
本研究では,足部内在筋の機能強化が扁平足症例の足部アライメントに及ぼす影響を検証した.扁平足症例16 名を対象とし,血流制限下で足部内在筋に対する神経筋電気刺激を週に3 回の頻度で8 週間実施した.8 週間の前後で足趾把持力,母趾外転筋の筋断面積,座位および立位でのArch Height Index,歩行立脚期における足部内側縦アーチ高の動態をそれぞれ測定し,統計学的に比較した.8 週間後の測定において,足趾把持力と母趾外転筋の筋断面積が有意に増加し,歩行立脚期に内側縦アーチ高が最小値に達するまでのタイミングが有意に短縮したことを確認できた.一方,座位および立位でのArch Height Index に統計学的な変化は確認できなかった.本研究の結果から,血流制限下神経筋電気刺激を用いた足部内在筋の機能強化は,扁平足症例の歩行立脚期における足部運動を変化させる可能性が示唆された.