抄録
人工心肺シミュレータ実験において、静脈貯血槽の貯血レベルを高(1,000mL)・中(500mL)・低(200mL)の3段階に設定し、貯血レベルが操作者の精神的作業負荷に及ぼす影響について検討した。被験者は臨床工学技士学生6名とし、精神的作業負荷は生理的指標および行動的指標、主観的指標を用いて評価した。
結果として、生理的指標であるRR間隔変動係数と区間平均心拍数、唾液アミラーゼと、行動的指標である反応時間には有意な変化はみられなかった。主観的指標である日本語版NASA-TLXでは、貯血レベルが低くなると加重平均作業負荷得点と全体的な負荷得点が有意に増加した。また、簡易精神疲労尺度においても、貯血レベルが低くなると精神疲労と全体的疲労感の得点が有意に増加した。
これらのことから、貯血レベルが低いほど、精神的作業負荷と精神疲労、全体的疲労感が高くなることが示唆された。貯血レベルの設定には、操作者の精神的作業負荷の側面からも検討が必要である。