2020 年 47 巻 4 号 p. 321-326
近年、開心術で冷温水槽に起因する感染が問題となっている。原因は冷温水槽に発生するレジオネラ菌や非結核性抗酸菌の空気伝播と報告されている。オゾン水は塩素より強い殺菌力を持ち安全性が確認されている。これを循環水に用いることで安全に感染を防止できるのではないかと考え検討した。非結核性抗酸菌の汚染が確認された冷温水槽より汚染水を採液し、3.5mg/Lのオゾン水で2倍、10倍、100倍希釈した液を培養し殺菌効果を確認した。人工肺材料への影響を確認するため、各素材の熱交換器を有した人工肺に10L/minで6時間灌流を3回行った後、リークテストを行った。また、熱交換器部分を電子顕微鏡にて観察した。2倍希釈のオゾン水は菌が検出されたが、10倍希釈と100倍希釈では検出されなかった。全ての人工肺でリークはなく、表面に変化は見られなかった。オゾン水は非結核性抗酸菌の殺菌に有効で人工肺への影響もなかったが、高い酸化力によるゴムや金属等に対する材料劣化が懸念され、今回検討していない人工肺や冷温水槽に対する影響は不明である。材料劣化対策を講じた人工肺や冷温水槽を使用すれば臨床で使用できる可能性が示唆された。