低侵襲心臓手術における体外循環は難易度が高く高度な管理が要求される。胸骨正中切開時と同様の灌流指数(perfusion index:PI)を維持することは困難であり、PIを基準とした体外循環管理方法には限界がある。今回は酸素供給量(DO2)と酸素消費量(VO2)、乳酸値から患者の酸素需給バランスを考慮した灌流量の決定が可能であるか、術後急性腎障害(acute kidney injury:AKI)との関連があるか検証した。
高乳酸血症を2mmol/L以上、酸素需給バランスの評価をVO2/DO2としてROC解析を行い、カットオフ値を算出し各因子を比較検討した。
ROCによりカットオフ値0.245が得られVO2:DO2=1:4となりVO2の4倍以上のDO2が維持できれば高乳酸血症が抑制されることが示唆された。カットオフ値による群間比較では0.245≦の群で術後AKI発症者数が有意に高い結果となりVO2の4倍以上のDO2を維持することにより術後AKI発症を抑制させることが示唆された。
従来の体外循環管理法に加え酸素需給バランスを考慮した体外循環管理が重要である。