体外循環技術
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当院での体外循環中の必要貯血量について
片倉 二郎織田 豊田畑 喜朗森田 高志関口 敦会田 治男深谷 隆史笹川 繁菊池 寛二吉田 譲見目 恭一
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1995 年 21 巻 1 号 p. 57-59

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抄録

当院での自己血輸血を含む輸血症例より,体外循環中に必要な自己血貯血量について検討した。成人開心術症例215例の体外循環中の平均輸血量は虚血性心疾患1.5±2.3単位,弁膜疾患1.3±2.1単位,先天性心疾患0.2±0.9単位,大血管疾患2.6±3.0単位であった。また,無輸血体外循環を行うための最低自己血貯血量について検討し,90%以上の症例が無輸血となる自己血貯血量は虚血性は4単位,弁膜症は5単位,先天性は0単位,大血管は7単位であった。輸血の有無は年齢,術前ヘマトクリット値,体重,体表面積などが関与し,実際の自己血貯血量は各症例ごとの実績を基に決定されることが望ましい。無輸血体外循環を行うためには,自己血貯血を行うだけでなく,充填量の削減と血液高度希釈も併せて検討すべきと思われた。

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© 日本体外循環技術医学会
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