抄録
体外循環中,高カリウム血症を呈した開心術症例に対し,血液濾過法(Hemo Filtration:以下,HF)を施行した。対象は,当院では施行した冠状動脈バイパス手術症例(以下,CABG)10例であり,年齢62.6±9.3歳,男女比4:1であった。HFは,限外濾過(Extra Corporeal Ultrafiltration Method:以下,ECUM)回路を使用し,後希釈法を用いた。置換液はソリタT1と生理食塩水を1:2に混合して用い,濾過膜にはカワスミ社製ポリスルホン膜PS1.0-UWを用いた。置換液量は2,700±900ml,除水量は2,700±836ml,ナトリウム値は,HF前129.4±2.9mmol/l,HF後130.7±3.3mmol/l,カリウム値は、HF前6.1±0.4mmol/l,HF後4.9±0.4mmol/lと推移し,ナトリウム値の変動を抑え,カリウム値を有意に低下させることができた。本法は体外循環中の高カリウム血症に対し,比較的短時間で迅速に対応でき,有用な方法であった。