体外循環技術
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体外循環中における水分管理からみたCold Cardioplegiaの有用性に関する検討
堀 辰之篠原 宣幸大畑 雄咲松若 良介新谷 英夫矢倉 明彦榊原 哲男
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1996 年 22 巻 2 号 p. 18-20

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抄録

晶質液のみで構成されるCrystalloid Cardioplegiaを用いたCr.C群20例と,晶質液と人工肺酸素化血液を混合投与したCold Blood Cardioplegiaを用いたCBC群20例とした心筋保護液の組成が,体外循環中の灌流液組成に及ぼす影響を臨床的に検討した。体外循環時間,大動脈遮断時間は両群間に差はなかった。晶質液を多量に要するCr.C群に比して,晶質液使用量,希釈率,Hb値低下率,およびK濃度は有意(p<0.05)にCBC群が低値を示した。体外循環中の水分,K濃度補正を目的として使用した限外濾過法による除水量も,CBC群において有意(p<0.05)に低値を示した。以上より,体外循環中の血液希釈,水分およびK濃度管理の点からは,CBCがCr.Cに比して有利であることが示唆された。

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© 日本体外循環技術医学会
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