1996 年 22 巻 2 号 p. 13-17
Continuous warm blood cardioplegiaに用いる心筋保護液のGIK液と,人工肺酸素加血の混合比について,GIK液を1に対し人工肺酸素加血を4の割合で混合したのち,加温して心筋保護液とする1:4群(以下,1:4群)と,GIK液の組成を変更し混合比率を1:8にした群(以下,1:8群)について比較検討した。対象は,1:4群が19例,1:8群が27例で,両群のGIK液使用総量には有意差を認めなかったが,GIK液の大動脈遮断中における単位時間使用量は,1:8群で有意に減少し,GIK液による晶質成分の体外循環回路内への流入量が削減できた。また,体外循環中のHct値は1:8群で体外循環終了時に有意に高値を示し,血液希釈の亢進予防に有用で,常温体外循環を施行する上でも有利であると考えられた。