1996 年 22 巻 2 号 p. 69-75
遠心ポンプSP-45(テルモ社,14例)とBP-80(Bio-Medicus社,21例)を一般開心術に臨床使用し,血液有形成分(ヘモグロビン量,白血球数,血小板数),Free-Hb,β-TG,PF4,ドレーン出血量,流量計,準備および操作性について比較検討した。その結果,血液有形成分,血液損傷の指標となるFree-Hb,β-TG,PF4,術後ドレーン出血量は両群間に有意差は見られなかった。SP-45の超音波流量計とBP-80の電磁流量計の比較では,電磁流量計を基準とした場合,平均体外循環流量は超音波流量計が5.5%低い値を示し,流量差の絶対値は最大で13.0%,平均で7.3%差がみられた。SP-45は,低い回転数で高い揚程を得る事ができ,臨床例でもBP-80より低い回転数で目的の流量を得る事ができた。しかし,軸シーリング部分の気泡除去が煩雑で,流量計と回転計のデジタル表示の遅延時間が長く,操作性に若干の問題点が見られた。