1996 年 22 巻 2 号 p. 81-85
当施設にて使用しているIABP「スーパーバルーンポンプCorart BP-1」において,まれに発生する作動不良の原因究明を行った。その結果,ノイズおよびペーシングスパイクに由来する誤作動,オートモードにおけるカテ先大動脈圧の微小な変動を誤認するために発生するバルーン早期膨張,心内心電図へのアーチファクト混入に由来する誤作動が指摘され,システム改良を行った。システム改良としてノイズに対し,デジタルフィルタを追加した。ペーシングスパイクに対してはペーシングスパイクおよびテールの傾き認識アルゴリズムを付加した。オートモードに関してはダイクロティックノッチ認識アルゴリズムの改良を行った。効果の検討を行った結果,ノイズおよびペーシングスパイクに由来したBP-1の誤作動は認められず,ノイズ除去性能およびペーシングスパイク認識の向上が示唆された。また,オートモードに関してもバルーンの早期膨張は認められず,オートモードにおけるバルーン膨張タイミングも改善し,システム改良によるBP-1の機能向上が得られたものと考えられる。