新生児,乳児における血液充填体外循環では,保存血液を使用するため体外循環開始後のinitial shockや,電解質異常などの問題があることは知られている。我々は,充填血液に対して血液濾過法(以下,HF)を使用した9例(以下,H群)と,HFを使用しなかった9例(以下,N群)を比較検討した。灌流圧は,N群に対して且群が終始10mmHg前後高く保つことができ,尿量もH群で有意に増量が認められた。また,体外循環開始時のK+値も且群の方が適正であった。その結果,新生児,乳児の体外循環を安全に行うために充填血液に対するHF方は,有用であると考えられた。