抄録
慢性維持透析患者に対する開心術において,CPB中のみにmodified HF(m-HF)を施行し,その有用性を検討した。術前日はHDの施行を原則とした。m-HFの方法は静脈血リザーバーからECUM装置に血液を導き,吸引にて限外濾過を行い,リザーバー上部のプライミングポートより置換液を投与した。置換液は生理食塩水,ソリタT1号,サブラッドBを組み合わせて各電解質の調整を行った。心筋保護液の投与による負荷に対しては,フリーの置換液を使用することで対処でき,術後のクレアチニン,BUN値は術当日のHDを必要としないレベルまで低下した。術中にシングルパスのHDを行うには手術室の設備などの問題があるが,m-HFでは通常の回路構成にて簡便に施行できる。CPB中のm-HFは維持透析患者に対する開心術に対し有用である。