体外循環技術
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慢性維持透析患者に対する人工心肺後の急性血液浄化について
堀 和芳安田 剛皆川 宗輝小林 進栗生 和幸堀見 洋継外山 雅章
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2003 年 30 巻 2 号 p. 108-112

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抄録
慢性維持透析患者に対する人工心肺症例において,術当日に急性血液浄化(ABP)を必要とした症例の周術期の検討を行った。23例の症例中3例が高K血症,3例が肺鬱血による肺水腫にて術当日のABPを必要とした。高K血症の症例は緊急,循環動態の不安定などにより術前の透析(HD)が不十分であると考えられた。肺水腫発症の指標となる血漿膠質浸透圧(COP)-PCWP較差を非ABP群とABP群で比較すると,ABP群が有意に低値を示し,術中の水分バランスをDWからの増加率(△DW)でみたときのCOP-PCWP較差を,非ABP群と肺水腫を呈した群で比較すると△DW5~8%の症例でもCOP-PCWP較差は高値に保たれていた。人工心肺を施行する慢性維持透析患者は,術前至適な透析効率の評価をし,場合によっては術前連日HDを施行し,術中は高いCOPにて間質に水分を移行させずに除水することでCOP-PCWP較差を維持できれば術当日のABPを必要とせず,翌日から通常の維持透析に戻れる可能性が考えられた。
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© 日本体外循環技術医学会
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