抄録
人工心肺(CPB)使用の開心術症例からCPB回路内血,および自己血回収装置使用による濃縮処理血の細菌混入の陽性率と菌の種類について検討を行った。2001年1月から12月までの1年間でCPBを使用した138例を対象とし,CPB終了直前にCPB回路サンプルラインからの検体をA群,回路残血を自己血回収装置で処理後の検体をB群とした。両群の細菌検査を行った結果,A群の陽性率は11.6%,B群は34.1%でA群より高い値を示した。両群とも陽性検体の菌種を調べた結果,いずれもブドウ球菌属が多く検出された。陽性率と体外循環時間の比較では,長時間になると陽性率は上昇を示し,これは抗生剤の有効血中濃度を維持できなくなったためと考えられた。対策として,回路内を洗浄する過程で抗生剤を使用する,または洗浄血に抗生剤を添加する,長時間の体外循環の場合には,抗生剤の血中濃度を維持するために追加投与する,などが考えられた。