体外循環技術
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超低体温下間敏的循環停止法施行時における脳内酸素飽和度モニタの有用性
二階堂 洋史佐藤 二郎鈴木 洋人加藤 里絵増田 政久大音 俊明塚越 芳久
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2005 年 32 巻 1 号 p. 71-73

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抄録
(要旨)我が国でも慢性肺動脈血栓塞栓症に対し,超低体温下間歇的循環停止法(ICA)下に肺動脈血栓内膜摘除術(TEA)が行われるようになってきた。ICAを用いる場合,適正な循環停止時間を決める上で頸静脈酸素飽和度(SjO2)が指標とされることが一般的であるが,カテーテルを挿入する必要がある。今回我々は,2002年7月から2004年3月までにICA下にTEAを施行した連続10例のうちの, SjO2と同時にソマセンサを用いた脳内酸素飽和度(rSO2)を連続測定した7症例に対し,両指標の術中変動を比較しrSO2の有用性に検討を加えた。(1)循環停止中rSO2は連続的な低下を認めたが, SjO2は変化しなかった。(2)循環停止中以外は, SjO2の変動はrSO2の変動とほぼ一致した。以上より,低酸素脳障害を引き起こす可能性がある循環停止法を用いる場合,簡便かつ侵襲を加えることなく,循環停止中を含め脳内の酸素化の状態をリアルタイムに把握できるrSO2の有用性が示唆された。
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© 日本体外循環技術医学会
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