体外循環技術
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MUFを主とした体外循環中の限外濾過法についての検討
小塚 アユ子吉田 譲斎藤 亮輔見目 恭一
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2005 年 32 巻 4 号 p. 400-403

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抄録

【要旨】乳幼児体外循環における希釈の軽減,有害物質の除去,血行動態の安定などの目的で,2004年より導入したMUF(Modified UltraFiltration)について検討を行った。対象は体外循環時間が60~180分,体重12kg以下の42例である。MUF施行により平均Ht値は26.2%から33.8%に上昇した(上昇率30.2%)。MUF開始時Ht値の高低による上昇率への影響を見るため26%で区分したところ,26%未満で25.7%,26%以上で34.5%の上昇で,開始時Ht値が高い方が上昇率が大きい傾向にあった。収縮期動脈圧は平均52.7mmHgから65.0mmHg(上昇率26.2%)。MUF中の除水量は平均893.3mL,水分バランスは-89.7mLであった。直腸温変化は,平均-0.143℃,体重5kgを境に,体重5kg以上で平均0.14℃ 上昇,体重5kg未満で,-0.63℃と低体重児で低下傾向にあった。MUF施行によりHt値,動脈圧の上昇,水分バランスのマイナス傾向が見られ,MUFは乳幼児体外循環に有用あった。

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© 日本体外循環技術医学会
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