教育心理学研究
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心的特性及び身体的特徴の起源に関する素朴因果モデルの発達的変化
向井 隆久丸野 俊一
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2005 年 53 巻 1 号 p. 98-109

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抄録
本研究の目的は児童から大学生までを対象とし, 心的特性 (性格的特性・知的特性), 身体的特徴が遺伝的要因や環境要因によってどのように規定されているかという認識が発達に伴ってどのように変化するのかを明らかにすることであった。課題は生みの親と育ての親が異なる赤ちゃんの物語からなる乳児取り替え課題を用いて, 被験者が特性の起源に関してどのような素朴因果モデルをもっているのか, 特性を規定する要因の影響力の強さをどのように認識しているのかについて調べた。主な結果は以下のようであった。(1) 低学年児の認識は不安定であるが, 心的特性では子どもは特性の起源を1つの要因 (遺伝もしくは環境要因) で説明するような傾向 (1要因モデル) が強く, 5・6年生頃からの両方の要因で説明する傾向 (2要因モデル) が強くなる。また3年生頃を移行期として遺伝的要因よりも環境要因を重視するようになる。(2) 身体的特徴では遺伝的要因による1要因モデルのまま発達的変化はほとんどない。(3) 1要因モデルを選択した子どもも特性を規定する要因を全か無的に採用するのではなく, 特性に対する相対的に重み付けられた規定力 (影響力) を認識している。
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© 日本教育心理学会
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