てんかん研究
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症例報告
挿間性精神症状を呈した脳腫瘍術後の15歳女児例
栗原 まな中江 陽一郎小萩沢 利孝衛藤 義勝
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ジャーナル 認証あり

2003 年 21 巻 1 号 p. 11-17

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抄録
症例は15歳女児。2歳4カ月時、右前頭部のastrocytomaの摘出術を受けた。その後脱力発作・強直発作が認められvalproate・clonazepam・acetazolamide・primidoneが投与されていたが、てんかん発作は週単位で認められていた。10歳時、発作のコントロールを目的に当科を紹介された。acetazolamide・primidoneを中止しvalproateを減量し、発作は月2~3回の軽い全身性間代発作に軽減した。12歳時、脳腫瘍再発にて摘出術が施行された。14歳時、流涎を伴う意識減損様発作が出現。carbamazepineの開始、clonazepamの減量を行ったが改善は得られず、意識減損様発作が1日5~6時間持続するようになった。脳波では今回のエピソード以前にみられていたてんかん性発作波が消失していた。Hydroxyzine-P(Atarax-P®)の服用を開始し、clonazepamを元の量に戻し、valproateを減量中止したところ、意識減損様発作は消失した。経過中本来のてんかん発作は認められなかった。今回のエピソードは脳波の強制正常化を伴う挿間性精神症状と考えられた。
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© 2003 日本てんかん学会
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