抄録
難治性側頭葉てんかん患者39名を扁桃核海馬発作群28名(M群)(精神症状をもつ7名のMP群と精神症状をもたない21名のMN群からなる)と外側側頭葉発作群11名(L群)の2群に分類し神経心理検査所見を検討した。てんかん発病年齢はM群13.8歳、L群13.6歳で、手術時年齢はM群36.0歳、L群29.3歳だった。神経心理検査として知能検査、記憶機能検査(WMS-R)、言語性・視覚性記憶検査、注意の統制と持続検査(仮名ひろい)、視空間分析検査、人格検査を実施した。物語文の仮名ひろい検査でM群のひろい落としがL群に比べ有意に多かった(p<0.05)。また、MPとMN群間では、MP群の罹病期間が長く(p<0.05)、視覚記銘検査の正解数が少なく(p<0.05)、文章記憶の反復習得効果が不良で(p<0.05)、言語記憶(無関係対語)の学習効果が不良(p<0.05)、人格検査MMPIのD(p<0.05)、Pd(p<0.05)、Pt(p<0.05)、Pa(p<0.01)、Sc(p<0.01)尺度で有意に高得点だった。精神症状をもつ扁桃核海馬発作群は注意の統制と持続に障害があり、眼窩前頭野の機能障害も関与すると考えられた。