てんかん研究
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原著
小児けいれん重積症に対するミダゾラム静注療法の検討
吉川 秀人山崎 佐和子
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ジャーナル 認証あり

2004 年 22 巻 3 号 p. 180-185

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抄録

1997年から2002年までの6年間に小児けいれん重積症に対してミダゾラム静注療法を施行した71例89機会の治療効果につき検討した。けいれんの原因はてんかん43機会、急性脳炎・脳症17機会、テオフィリンけいれん12機会、熱性けいれん重積11機会等であった。第1選択42機会、第2選択34機会、第3選択12機会、第4選択1機会で施行し75/89機会(84.2%)でけいれんは消失した。持続静注時間は1~240時間(平均51.2時間)で、使用量はbolus dose 0.05~0.4 mg/kg、持続量0.06~0.6 mg/kg/hrであった。副作用として1例で呼吸抑制が認められたが挿管は不要であった。同時期にジアゼパム静注を施行した159機会中有効であったのは106機会(66.7%)で、14機会で呼吸抑制を来たし挿管または人工呼吸管理を必要とした。小児けいれん重積症に対するミダゾラム治療は、安全かつ有効であると思われた。

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© 2004 日本てんかん学会
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