2022 年 39 巻 3 号 p. 483-488
当院は道北地方における脳神経内科のてんかん専門医のいる准研修施設である。当院で診療した65歳以上初発のてんかん症例の診療実態について、2011年4月から2018年3月までの期間を新規抗てんかん薬の単剤使用が可能になった2015年3月を境に前半・後半に分けて検討した。対象症例は44例で、前半16人、後半28人、平均発症年齢は77.0歳で、発作症状は痙攣が45.4%、意識障害・意識減損が27.3%、物忘れが22.3%であった。全例が焦点てんかんで側頭葉てんかんが36.4%であった。基礎疾患は脳卒中が38.6%、認知症が25.0%であり、何れも後半での割合が高かった。発作消失率は81.4%で、単剤での発作消失率は前半60%に対して後半85%と増加していた。当院における高齢初発てんかんでは脳卒中・認知症とも後半により多くみられた。単剤での発作消失率は後半で増加していることから、脳卒中・認知症に伴うてんかんでも新規抗てんかん薬の使用により良好に発作を抑制できる可能性が示唆された。