2022 年 40 巻 1 号 p. 10-17
てんかんの診断により運転免許の取得や更新が制限されるため、運転免許所持可能年齢の患者にとっては生活への影響が大きい。てんかんと運転免許に関するインターネットを介した情報収集手段を検討することを目的に、当院ホームページ上のてんかんと運転免許に関する解説記事の公開から1年間の検索およびアクセスログを解析した。記事へのアクセスは男性51.5%、女性48.5%とやや男性に多く、年齢別では25歳~44歳で53.7%と半数以上を占め、地域別には大都市圏からのアクセスが上位であった。検索クエリの分析では、「隠して」、「申告しない」、「ばれる」、「虚偽申告」を含む検索の合計は表示回数13,193回(全表示回数の7.3%)、クリック率は7.7%と高値であった。本検討により、虚偽申告に関連したクエリによる検索が多いことが示された。虚偽申告による事故防止のためにも正しい情報を患者に提供する必要がある一方で、代替移動手段の提供が望まれる。