てんかん研究
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抗てんかん薬による発疹出現例に対する減感作療法
川崎 淳兼本 浩祐中川 嘉洋河合 逸雄
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1993 年 11 巻 3 号 p. 236-240

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抄録
難治てんかんの要因の1つに全身の発疹のため抗てんかん薬投与ができないことがあげられる。このような症例に対する治療法として今回われわれは抗てんかん薬の減感作療法を試みた。試みた薬剤はCBZ3例, PHT, VPA各1例であった。この結果, 減感作療法を行った難治てんかん5例中4例で全身の発疹をみることなく有効血中濃度まで抗てんかん薬を増量することができ, 4例中3例で発作が抑制された。また幻覚妄想状態を呈していた2例では, PHTからCBZへ変更することにより幻覚妄想状態の改善をみた。
抗てんかん薬による発疹の既往を持つ難治てんかん症例に対する減感作療法は, 多くの症例に有効であり, 発疹の出現した抗てんかん薬の投与が不可欠な症例においては, 試みる価値が高いと思われた。
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© 日本てんかん学会
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