てんかん研究
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キスカル酸型受容体作動薬投与による辺縁系けいれんに対するジョロウグモ毒素誘導体の選択的抗けいれん効果
金井 裕彦
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1993 年 11 巻 3 号 p. 241-250

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抄録
特異的グルタミソ酸受容体作動薬の投与によるけいれんに対する, ジョロウグモ毒素誘導体 (1-NA-Spm) の抗けいれん効果を海馬深部脳波記録と行動観察にて検討した。1-NA-Spmをラットの側脳室内に前投与し, その後グルタミソ酸受容体作動薬を同じ経路で投与した。non-NMDA型作動薬による辺縁系けいれんに対しては, カイニン酸型のドーモイ酸では海馬発作性放電は抑制されなかったが, キスカル酸 (QUIS) 型のQUISおよびAMPAでは海馬発作性放電の出現量 (%) は順に80~11%, 55~9%と強力に抑制され, 全般化けいれんの出現率は順に100~0%, 67~0%に減少した。また, NMDA型のキノリン酸に対しては行動上, 脳波上抑制効果は見られず, 1-NA-SpmはQUIS型受容体作動薬に選択的で強力な抗けいれん作用を示した。
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