てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
小児の難治てんかんに関する臨床的研究
第1報: 難治の要因に関する検討
高江洲 悦子山本 直樹高橋 泉古根 淳麻生 幸三郎根来 民子渡辺 一功
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 4 巻 2 号 p. 102-107

詳細
抄録

昭和50年から56年の間に名古屋大学小児科を受診し3年以上外来で経過観察のなされた371例中発作消失例は254例 (3年以上発作消失例195例-対照群-) で, 発作持続例は117例 (発作頻度不変または増悪例54例-難治群-) であった。発作持続率は続発全般てんかんで最も高く, 初診時発作型との関係では非定型欠神, 全般性強直間代発作, 複雑部発作, 混合発作の順で高い発作持続率を有し, とくに Lennox 症候群に属する混合発作での発作持続率が高かった。知能低下合併例, 出生前, 周産期の推定原因をもつ例で治療抵抗例が多く認められた。また難治群に含まれている全般性強直間代発作の場合稀発例が多く, 患者, 医師相方の治療に対する積極的姿勢を欠くためと考えられた。

著者関連情報
© 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top