1986 年 4 巻 2 号 p. 127-134
A. 3年以上発作が抑制されたのちに再発したてんかん患児 (者) 20例について, 臨床的検討を行った。
1) 思春期以降に再発する例も多く, 原発全般てんかんが13例と過半数をしめていた。
2) 再発の推定要因として怠薬が重要で, 疲労, 精神的緊張, 月経などが関与していると考えられる症例もあった。
3) 再発前にてんかん波が再出現した例は3例にすぎず, 脳波により再発を予知することは難しいと考えられる。
B. 3年以上発作が抑制されたてんかん患児 (者) 221例を発作抑制後平均5年9ヵ月経過を観察したところ再発を14例に認め, 再発率は6.3%であった。