てんかん研究
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睡眠中複雑部分発作を頻発する例の検討
堀田 秀樹熊谷 公明
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1986 年 4 巻 2 号 p. 135-142

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抄録

夜間睡眠中複雑部分発作を頻発する10歳男児に終夜ポリグラフィーを行った。間欠期脳波はび漫性の不規則棘徐波複合を示した。臨床発作はふとんをかけるしぐさの自動症, 自動症の前に手足を硬直させるもの, 後者の後に二次性全汎化発作を生ずるものの3型がみられた。発作時脳波では最初低振幅もしくは著変を認めず, 自動症の出現とともに徐波バーストを全領野にみるようになり, 二次性全汎化発作のときはfast activityとそれに続く棘徐波バーストを全領野に認めた。発作は入眠後3時間以内に頻発し, すべて NREM 睡眠時に出現した。睡眠経過をみると発作が頻発するため徐波睡眠の出現が遅れたが, その量は軽度増加していた。REM睡眠は減少していた。

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© 日本てんかん学会
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