実験社会心理学研究
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接近・回避コミットメントが恋愛関係における感情経験に与える影響―行為者-パートナー相互依存性調整モデル(APIMoM)による検討―
古村 健太郎
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2017 年 56 巻 2 号 p. 195-206

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抄録

本研究では,恋愛関係への接近・回避コミットメントが恋愛関係における感情経験に与える影響を検討した。異性愛カップル91組を対象とした質問紙調査によって得られたペアデータを用い,個人内過程,個人間過程,パートナー調整効果を検討するため,行為者-パートナー相互依存性調整モデル(actor-partner interdependence moderation model: APIMoM)による分析を行った。その結果,個人内過程において,男女ともに,個人の接近コミットメントが感情バランスをポジティブにした。また,接近コミットメントが弱い場合に,回避コミットメントが感情経験をネガティブにした。個人間過程では,男性の接近コミットメントが女性の感情経験をポジティブにした。さらに,パートナー調整効果については,男性の接近コミットメント×女性の回避コミットメントが男性の感情経験と関連し,女性の接近コミットメント×男性の回避コミットメントが女性の感情経験と関連した。これらの結果について,接近・回避コミットメントが促進しうる行動や相互作用の観点から考察を行った。

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© 2017 日本グループ・ダイナミックス学会
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