実験社会心理学研究
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パーソナリティ認知の多次元的研究 (2)
被験者の発達段階およびStimulus Personによる次元の変動性について
内田 敏夫松原 敏浩
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1982 年 21 巻 2 号 p. 121-128

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抄録
本論文の目的は, パーソナリティ認知における次元の一般性を研究することにある. 特に, 被験者の発達段階および用いられた種々な刺激人物 (SP) を通じての次元の安定性を分析することを狙いとした. 被験者としては小学校5年生, 中学校2年生, 高校2年生, 大学2年生であった. 4種の年令群の各々の被験者数は, ほぼ100名から200名位であった. 8種の刺激人物が呈示された. 即ち, 父・母・きょうだい・友達・教師などである. 予備実験の結果から選択された45語のパーソナリティ特性語が用いられた. すべての特性語対間の類似性データが距離データに変換された後, Carroll & Chang (1970) の多次元尺度構成法 (INDSCAL) が適用された. 5次元解が採用された.
得られた結果は, 次の通りであった.
(1) 5次元の内容は “社会的評価” , “強靱性” , “個人的親しみ易さ” , “快適さ” , “明るさ” と解釈された. 後者の二つの次元の布置に部分的に特異なパターンが見られた.
(2) 各次元は実質的には相互に独立であった. (1) で述べられた五つの次元の順序は, ウェイト値から見た相対的重要度と正の単調関係にあった.
(3) ウェイトを分析すると, すべての年令段階において “社会的評価” が最も重要であることが見出された. そして, “強靱性” , “個人的親しみ易さ” および “明るさ” , の三つは, 年令段階の増加に伴ってウェイトを増加させたが, “快適さ”はウェイトを減少させた.
(4) 刺激人物 (SP) のすべての種類についてもまた, “社会的評価” が最も重要であり, 次いで “強靱性” , さらに “個人的親しみ易さ” となった. “快適さ” と “明るさ” においては, 刺激人物 (SP) の問で重要度に関して少なからぬ差異が認められた.
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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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