日本食品化学学会誌
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論文
食品添加物の加熱及び室温、冷蔵、冷凍保存下における安定性に関する基礎的研究
平原 嘉親井上 智子安藤 真美
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2022 年 29 巻 1 号 p. 34-42

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抄録

食品包装開封後の食品中に含まれる食品添加物の有用性を知るための基礎的研究として、6 種類の保存料と 2 種類の酸化防止剤の加熱及び冷蔵、冷凍、室温保存後の安定性について検討した。水中の BHT は 1 か月間の保存後、室温においてのみ 57%の有意な減少が認められたが他の添加物はいずれの条件においても有意な減少は認められなかった。水中の添加物を 95℃の水浴中で 30 分加熱または電子レンジで 3 分間加熱したとき、密封条件ではいずれも 88%以上残存し、開放条件では BHT と BHA においてのみ有意な減少が認められた。190℃のホットプレート上での 10 分間加熱によって全ての添加物で顕著な減少が示された。乾式加熱調理後、食品中の添加物の有用性は低下するが湿式加熱調理後や室温、冷蔵庫および冷凍庫内では 1 か月間は保存料の有用性は維持されており、これらの保存効果によって食品包装開封後において食品の安全性は確保されていることが考えられた。

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© 2022 日本食品化学学会
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