森林立地
Online ISSN : 2189-6275
Print ISSN : 0388-8673
ISSN-L : 0388-8673
ヒノキ人工林の林床植生型としての「ウラジロ・コシダ型」の立地特性
渡辺 直史梶原 規弘塚本 次郎
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 49 巻 1 号 p. 27-33

詳細
抄録

針葉樹人工林の保育作業の省力化と公益的機能の向上をねらいとして,近年,実施例が増えつつある強度間伐と針広混交林への誘導に対して,支障植物と考えられるウラジロとコシダの成立立地を定量的に記述した。ヒノキ人工林の林床植生として,ウラジロとコシダは共棲みの傾向を示した。そこで,ウラジロ・コシダ域(温量指数105〜110以上の地域)のヒノキ人工林を,ウラジロとコシダを合わせた生活型「ウラジロ・コシダ」の被度を基準に,一定水準以上の林地:「ウラジロ・コシダ型」と,それに達しない林地:「それ以外」に分け,両者の立地条件を対比した。「ウラジロ・コシダ型」の出現頻度はヒノキ地位指数14.0未満で明らかに高かったが,地位指数の座標軸上での両者の分離は不完全であった。「ウラジロ・コシダ型」の林地の土壌化学性は相対的に強酸性で,交換性塩基濃度が低く,交換性Al濃度が高く,高C/Nであった。これらはいずれも乾性立地に起因する性質であり,pH(H_2O)5.0以下で代表させることができると考えた。明瞭な尾根型斜面が「ウラジロ・コシダ型」をもたらす最も重要な地形因子であった。以上から,「ウラジロ・コシダ型」の適地,すなわちヒノキ人工林の針広混交林への誘導困難地の立地の目安として,ヒノキの地位指数:14.0未満,pH(H_2O):5.0以下,地形:明瞭な尾根型斜面,を提案した。

著者関連情報
© 2007 森林立地学会
前の記事 次の記事
feedback
Top