森林利用学会誌
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論文
景観シミュレーションを用いた林道計画案の評価法
吉村 哲彦黒谷 茂宏神崎 康一内田 修
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1996 年 11 巻 1 号 p. 21-28

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抄録
近年,都市近郊林では,林道を建設する際に,景観への配慮が求められる場合が多い。京都市東山に防火管理道が計画されているが,この付近は著名な観光地が多く,景観が損なわれることのないよう十分な配慮が必要とされる。そこで,コンピュータシミュレーションを用いて,3つのルート候補案の景観への影響を事前に評価した。その結果,京都市内側の斜面を縦断し,当初景観への影響が懸念されていたルート候補案が,実際は景観への影響が最も小さいことがわかった。さらに,AHP(階層分析法)を用いて,景観への影響度,林道の経済性,斜面崩壊の危険性,林道の走行性という4つの評価基準の重み付けを行った。これらすべての評価基準によって3つのルート候補案を評価したところ,景観面で最も優れたルート候補案が最適であるという結果になった。
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© 1996 森林利用学会
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