抄録
パワーショベルを改造したダブルウインチスイングヤーダを試作し,間伐木の集材作業に適用した。試作機は,通常のパワーショベルに油圧駆動ウインチ2胴を装着したものであり,ウインチを駆動しながらの旋回や,アーム・ブームの操作が可能である。また,架設および撤去の所要時間が従来機に比べて短縮されていること,高い横取り性能を持っていること,スイングブームによって林道上に直接荷上げを行うことが可能なことが示された。さらに,本試作機の要素作業の時間分布をもとに集材作業のシミュレーションを行った結果,スパン長が100m程度の場合,伐区幅が40m前後の時に最も高い効率で集材が行えることがわかった。以上の調査結果から,本機は小幅員の作業道上での集材に適した作業特性を持つことが示された。