パワーショベルを改造した簡易タワーヤーダを用いて急傾斜地のスギ林内で間伐試験を行い,その間の作業者の労働負担を調査した。心拍数から推定したRMRは,タワーヤーダの操作が0.4,荷掛けが9.6,枝払い(林内)が8.0,玉切り(林道)が6.8などであった。この値を用いて,シミュレーションによって伐区幅と作業者の消費エネルギー量の関係を調べたところ,架設撤去作業を含めた場合,オペレータ,荷掛け手,荷外し手,枝払い手の消費エネルギー量は,それぞれ,伐区幅が62.2m,41.2m,36.6m,41.6mのときに最小になることがわかった。さらに,8時間労働における消費エネルギー量を計算したところ,オペレータが1120kcal,荷掛け手が2588kcal,荷外し手が2606kcal,枝払い手が2929kcalで,オペレータに比べると,他の作業者の消費エネルギー量がかなり高いことが明らかになった。
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