森林利用学会誌
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論文
半島マレイシアにおける複層林の伐出作業分析と林道網計画
澤口 勇雄清水 俊二大川畑 修豊川 勝生市原 垣一
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1997 年 12 巻 2 号 p. 99-110

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抄録

国際協力事業団は,半島マレイシアで「マレイシア国複層林施業技術現地実証調査」を行っている。本研究は,上層木のAcacia mangiumの伐出技術を確立するために,実験的に行った上層木伐出の結果を分析したものである。下層木の被害を少なくするため,バックホーを利用した伐倒と農業用トラクタ集材の伐出システムが採用された。労働生産性は伐採列数で異なり(2.24〜3.86m^3/人・日),伐採列数の違いが労働生産性に影響を及ぼしていた。下層木の有無が労働生産性に及ぼす影響は,小さいと推定された。全体的な伐出コストは,伐倒・造材12US$/m^3,集材7US$/m^3,運材28US$/m^3であった。下層木の被害は,1列交互方式の施業法を除いて小さいとされているので,本伐出システムは技術的に可能で,現実的といえる。複層林における適正林道密度は,26.5m/haと試算された。しかしながら,熱帯林地域で持続可能な林業経営を実行するために必要な林道網は,林道の維持管理費の多寡に依存しているため,その費用の吟味が必要である。

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© 1997 森林利用学会
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