森林利用学会誌
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論文
林道路面から流出する浮遊砂の流出特性に関する実験的研究
李 成基峰松 浩彦
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1997 年 12 巻 2 号 p. 111-120

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抄録
林道路面から流出する浮遊砂を実験的に解析し,その特性を検討した。現在,浮遊砂の流出モデル式は浮遊砂量が流量の2乗に比例する経験式として解析に用いられているが,実測値との適合性から成立しない。ここでは過去のデータを用いて整理し,かつ浮遊砂流出量と流量の関係を実験的に検討した。その結果,流出の仕方は浮遊砂流出量と流量との関係であらわすと同じ流量でも浮遊砂の増加過程,減少過程で異なり,回帰すると単純な1次に近い比例関係となることを示した。さらに流出浮遊砂量は路面に残存する細粒土量に比例して流出することを示した。そこで,浮遊砂の流出速さは路面に残存する浮遊砂量に比例すると考え,その流出特性を実験的に検討した。流出速さは降雨強度と縦断勾配に影響を受け,降雨強度に対しては単純に比例し,縦断勾配に対しては2乗の形で増加することがわかった。
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© 1997 森林利用学会
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