2020 年 35 巻 2 号 論文ID: 35.77
高性能林業機械を導入した素材生産事業体の経営負担となる経費を明らかにすることを目的に,事業体の機械にかかわる経費の負担認識と実際の経費の関係を考察した。宮崎県・大分県・熊本県の認定事業体を対象にアンケート調査による分析を行った。負担感は0~5点で評価してもらった。負担感の平均では,「導入費」,「修繕費」,「燃料費」,「社会保険料等」が高かった。「導入費」は負担感,経費構成の比率がともに高く,事業体の機械投資において重要な項目だと言えた。「人件費」は経費としては大きな比率を占めるが,負担感としてはあまり高くなく,必要経費と考えると経費削減の優先順位は低い。「修繕費」は経費の構成比率は高くないが負担感が高く,修繕作業の頻度が負担感を高めたと考えられる。修繕発生の抑制が必要である。また,「機械保険料」の負担感と経費構成の比率が低いため,保険加入による抑制は効果的と示唆された。「燃料費」の負担を低くするのは他の経費に比べると難しいが,現場条件に適した機械の配置が重要と言える。「社会保険料等」は負担感が高いものの,就労条件の整備は必要であるため,削減は慎重にすべきである。