作業システムの選択に用いる地形情報として一般的な平均傾斜と起伏量に加え,地形の複雑度を表す指標として等高線迂回率を併用する手法が提案されている。この手法を,高知県を6 つの流域に分けて適用し,実際の路網整備および林業機械の導入状況と比較することでその有効性と今後の整備の方向性を検討した。地形データには10 m メッシュのDEM(数値標高モデル)を用い,オープンソースのGIS により地形情報の評価指標を算出し,適する作業システムの分類を行った。作業システムの分類結果と実際の状況は,従来架線とタワーヤーダの適地が多い県の中部および東部では一致度が高いものの,西部では分類結果に比較して直接集材・単曳きや簡易架線向きの中小型の機械の導入割合が高い傾向であった。地形から判断すると県全体ではタワーヤーダ等の中長距離架線が有利な箇所が多いが,路網整備や機械導入の経緯などから実情が異なっている可能性が考えられた。