日本森林学会誌
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論文
鈴鹿山系における登山道標識の現状と統一化へ向けた課題
宮島 盾二橋本 啓史
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2018 年 100 巻 3 号 p. 81-89

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抄録

滋賀・三重両県にまたがる鈴鹿山系の主要19山体40コースの登山道で標識の意匠と配置を調査し,新たに考案した連続性の評価指標などを用いて多変量解析を行って標識意匠の不統一の現状を明らかにし,その発生要因を考察した。不統一の程度は様々であるが,一つの支配的な意匠の標識に混じって様々な団体や個人が設置した独自の意匠の標識がある場合,支配的な意匠の標識がコース途中で代わる場合,意匠が統一されていた標識群の間に新たに別の統一された意匠の標識が追加された場合などもあった。特に人気が高く登山客の多い山体の方がより多くの種類の登山道標識を見ることができた。同じ山体内においては同じ意匠が支配的となることが多いが,登山者が行き来することが比較的多いと考えられる同一山域内の隣接した山体においても,全く異なった系列の標識へと急激に変化することがあった。多くの場合,その境界は地方公共団体の境や地権者の境であった。また,古い標識を撤去せずに新しい標識を立てたため同一地点に同じ内容の標識が乱立している状況もあった。国内他地域やスイスの標識統一化事例も踏まえ,今後のあり方を提言した。

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© 2018 一般社団法人 日本森林学会
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