日本森林学会誌
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最新号
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  • 2022 年 104 巻 3 号 p. e1
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル フリー
    短報「生分解性不織布ポットを用いたスギ・ヒノキ苗の植栽後2年間の成長」
    著者:北原文章,酒井敦,米田令仁
    巻号:102巻4号263-269ページ,2020年

    上記短報について,著者及び著者の所属機関から日本森林学会誌編集委員会に対し,撤回の申し出があった。 編集委員会でその内容を検討した結果,著者らによる申し出を受理し,日本森林学会誌編集委員会は当該論文を撤回する。

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論文
  • 横田 康裕, 天野 智将, 垂水 亜紀, 早舩 真智, 北原 文章
    2022 年 104 巻 3 号 p. 127-138
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル オープンアクセス

    小型ガス化熱電併給(CHP)装置向け燃料流通における燃料乾燥体制を明らかにするべく,CHPを先駆的に導入した事例など全国で10事例を調査した。CHP導入事例における乾燥体制は,燃料乾燥の要となるチップ人工乾燥作業の実施場所,実施者によって6パターンに分類されたが,いずれにしても川下が主体となって燃料乾燥に取り組んでおり,生チップを購入しそれを人工乾燥する,あるいは,自社でチップを生産・人工乾燥していた。川中事業者を主体とする乾燥燃料の流通体制は,未整備といえた。川中事業者が乾燥に取り組む上では,乾燥コストの価格への反映等が最も重要な課題となっていた。この解決には,CHP事業者側で乾燥したチップを高く購入できるようCHP装置の排熱を外部に販売するべく熱需要を確保することが重要と考えられた。一方,地域内でのCHP装置の普及を図りたい主体による燃料供給体制整備や,主業である熱供給事業の余剰熱の有効活用を図りたいとする新しい取組が見られ,既存のチップ生産者が乾燥に対応できない場合は,そこが乾燥作業を担う体制も期待できると考えられた。

  • 今 博計, 立松 宏一
    2022 年 104 巻 3 号 p. 139-145
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル オープンアクセス

    カラマツ類の緑枝ざしでは,挿し付け後に穂の萎れが観察される。本研究では,グイマツとカラマツの種間雑種であるクリーンラーチの挿し木増殖において,挿し穂が萎れる条件を明らかにするため,(1)採穂直前の降雨,(2)挿し付け後の経過日数,(3)挿し付け後の気温,相対湿度,飽差,照度が,挿し穂の萎れ度に及ぼす影響を15カ所の生産施設で調査した。挿し穂の萎れ度は,タイムラプスカメラを用いて調べた。順序ロジスティック回帰による解析の結果,挿し穂の萎れ度を説明する最適モデルとして,採穂直前の降雨の有無,挿し付け後の経過日数,挿し床の気温の3変数を含むモデルが選択された。採穂前の72時間の降水量は挿し付け後10日間の平均萎れ度と有意な正の関係があった。また,挿し付けから3日間は萎れ度が著しく高かったが,挿し付け後の経過日数にともなって少しずつ減少した。ベイズモデルによって萎れ度と挿し付け後の環境条件との関係を推定した結果,挿し床の環境条件が,気温29.9 ℃,湿度73%,飽差9.2 g/m3を境に強い萎れが生じていることが示された。

  • 伊東 康人, 藤堂 千景, 山瀬 敬太郎, 山崎 理正
    2022 年 104 巻 3 号 p. 146-153
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル オープンアクセス

    針広混交林化の技術確立に繋がる知見として,兵庫県の小面積皆伐したヒノキ人工林にクリ,ヤマザクラ,コナラの落葉広葉樹3種を異なる密度(1,000,1,500,または2,000本/ha)と方法(単木混植または単植)で植栽し,植栽木の成長および生存に影響を及ぼす要因を調べた。3種の植栽木の成長量は,前年地際径および開空度の増加に伴い増加し,土壌含水率の増加に伴い減少していた。生存率に関しては,前年地際径の増加に伴い3種とも生存率が増加し,開空度の増加に伴いクリでは生存率が増加,ヤマザクラ,コナラでは生存率が減少していた。コナラ単植プロットでは,地形の異なる調査地間で5年目の地際断面積合計に大きな差がみられたのに対し,単木混植プロットでは単植プロットほどの差はみられず,植栽密度が高いほど5年目の地際断面積合計も大きくなった。植栽後5年間に関しては,環境応答性が異なる樹種を混植することで成長または生存できないというリスクが回避されること,検討した中では最も植栽密度が高い2,000本/haが最適であることが示唆された。

  • 真坂 一彦, 齋藤 健人, 鳥田 宏行, 岩崎 健太, 脇田 陽一
    2022 年 104 巻 3 号 p. 154-161
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル オープンアクセス

    高密度植栽された海岸林の密度管理では列状間伐が提案されているが,海岸林に対する列状間伐の効果を検証した研究はない。列状間伐の効果を検証するため,2014年5月,北海道浜中町のグイマツ海岸林において1伐2残(33%)の列状間伐ならびに比較のための千鳥状間伐を実施した。併せて無間伐区を設定した。間伐直前と2017年10月,2020年8月に調査木の生存確認と胸高直径,樹高の測定を行った。間伐後の林冠閉鎖は2015年6月と2020年8月に全天空写真を撮影して評価した。また,両間伐区の林冠ギャップ内に風速計を設置して風速を測定した。直径成長の促進という意味での間伐効果は認められたが,列状間伐と千鳥状間伐で違いは認められなかった。列状間伐区では間伐後6年で林冠閉鎖しなかったが,間伐効果は3年以上は認められなかった。また,列状間伐区と千鳥状間伐区の林冠上では最大風速が10 m/sを超える日もあったが林冠ギャップ内で強風は観測されなかった。これらの結果から,長期の間伐効果を期待する場合は約3割以上に間伐率を上げる必要があることが示唆された。また,強風被害はほとんど心配ないことが示唆された。

  • 岩泉 正和, 三浦 真弘, 片桐 智之, 吉岡 寿, 大池 航史, 杉本 博之
    2022 年 104 巻 3 号 p. 162-169
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル オープンアクセス
    電子付録

    抵抗性採種園産種苗のマツノザイセンチュウ抵抗性を効果的に高める上では,これまで指摘されてきた採種園の性能に関わる諸要因を同時に評価し,その相対的な影響度を把握することが重要である。本研究では,造成年や構成系統の異なる抵抗性アカマツの6採種園を対象に,既往の抵抗性の評価値(抵抗性ランキング)の異なる22系統64母樹から得られた実生苗の抵抗性評価を行った。母樹ごとに実生家系を2カ年で育成し,線虫の接種試験を実施した結果,実生家系の健全個体率(健全率)は,多くの採種園で母樹系統の抵抗性ランキングと高い正の相関が認められた。一部の実生家系についてSSRマーカーによるDNA親子解析を行い,花粉親構成を評価した結果,特に10年生未満の園齢で採種された実生家系では園外花粉親率が高く,健全率は低かった。一般化線形混合モデルの結果では,母樹系統や花粉親の抵抗性ランキング,園齢や園内花粉親率の増加による健全率への正の効果が認められた。これらのことから抵抗性種苗の抵抗性を高める上では,①遺伝的性能の高い系統への構成木の改植,②園齢15年生以上での採種または採種園の部分的な順次更新,等の方策が重要と考えられた。

短報
  • 板橋 朋洋
    2022 年 104 巻 3 号 p. 170-175
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル オープンアクセス

    近年人々の自然体験の減少が問題視されている。2020年における世界的なCOVID-19の流行に伴って人々の生活様式が変化しており,人々の自然体験に対する関心の程度に影響を与えた可能性がある。本研究では,このような社会の変化が人々の自然離れに対して与えた影響について考察した。日本全国におけるGoogle検索量の2016年から2020年までの変化を解析した結果,日本で緊急事態宣言が発令されていた期間の自然体験に関するキーワードの検索量が減少した。一方で宣言解除後は以前と同程度かそれ以上の検索量へと推移した。短期的に人々の自然体験に対する関心が低下したのは,COVID-19の感染拡大防止のための自粛が影響した可能性が高い。長期的に人々の自然体験に対する関心が例年と同程度かそれ以上に増加したのは,比較的感染リスクの低い自然体験に対する人々の関心が増加したことを示唆している。

  • 幸 由利香, 遠藤 良太, 田村 美帆, 森口 喜成, 渡辺 敦史
    2022 年 104 巻 3 号 p. 176-181
    発行日: 2022/06/01
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル オープンアクセス

    花粉症を引き起こす主要な樹種の一つであるヒノキについて,雄性不稔遺伝子をヘテロ接合型で持つ精英樹を探索した。ヒノキ精英樹8クローンの自殖家系を育成し,7年生での花粉の飛散と8年生での花粉組織の細胞を観察した結果,丹沢6と丹沢7の自殖後代でそれぞれ22.2%と25.0%の雄性不稔個体が確認され,両クローンが雄性不稔遺伝子をヘテロ接合型で持つことが判明した。花粉稔性が正常な精英樹で成熟花粉の形成が確認された2020年3月30日に雄性不稔個体の花粉細胞を観察した結果,花粉母細胞期のまま発育が停止していた。また,丹沢7の自殖後代の雄性不稔2個体から採取した種子はともに発芽し,雌性は正常なことが確認された。これらの個体は,今後のヒノキの雄性不稔育種に活用できることが明らかとなった。なお,自殖個体の種子発芽率と初期成長は他殖個体より劣っており,自殖が花粉細胞の発育に影響している可能性も排除しきれないことから,今後,戻し交配家系などを用いた追加検証を行うことも必要と考えられた。

その他:ワークショップ記録
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