日本森林学会誌
Online ISSN : 1882-398X
Print ISSN : 1349-8509
ISSN-L : 1349-8509
短報
森林環境教育プログラム「子ども樹木博士」の全国的な実施傾向
杉浦 克明 白濱 真友
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 102 巻 1 号 p. 83-89

詳細
抄録

本研究の目的は,全国各地で実施されている子ども樹木博士の全国的なプログラムの実施方法や内容を解明し,学童期(発達段階における児童の時期の呼称)を対象とした評価軸を設け,全国的な実施実態について論じることである。本研究では,実施経験のある242機関を調査対象とした記述式アンケートを行った。その結果,全国的な実施傾向は,各機関の事業の一環として,児童に対し樹木の種類や興味・関心を持たせることを主な実施目的とし,公園内の樹種や地域の代表的な樹種で行っていた。よって,よりスケールの大きい森林に直接結び付けることは難しく,工夫が求められる。また,解説者は自前のスタッフが行う場合が多く,参加者を一班10人程度に分けていた。解説樹種は20種とし,時間を90分とする機関が多かったが,50種以上としている場合も見られた。児童期を対象とした効果的な実施には,発達段階を考慮した対応が求められよう。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本森林学会
前の記事
feedback
Top