日本森林学会誌
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論文
後食木に散布したフェニトロチオン乳剤によるクワカミキリ成虫の殺虫と防除法の検討
江崎 功二郎
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2007 年 89 巻 1 号 p. 61-65

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抄録

多種の広葉樹に被害を与えているクワカミキリの成虫駆除にフェニトロチオン乳剤の散布が有効であることを明らかにするために,フェニトロチオン4.4%乳剤を成虫の発生直前およびその3週間後に野外のエノキの枝条に散布した。その結果,発生時期を通じてクワカミキリ成虫を殺虫することができた。さらに,野外でフェニトロチオン0.44%乳剤を1回散布したエノキの枝条と3週間隔で2回散布した枝条を成虫に与えて飼育した結果,1回散布では散布4週間後まで,2回散布では2回目散布6週後までの枝条で飼育した全ての成虫が,飼育開始後3日以内に死亡した。これらの結果から,フェニトロチオン乳剤の散布はクワカミキリ成虫の駆除に有効で,フェニトロチオン0.44%乳剤を後食木に2回散布すると,9週間にわたり高い殺虫効果を維持できることが明らかになった。

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© 2007 一般社団法人 日本森林学会
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