2008 年 90 巻 6 号 p. 411-414
POMS(Profile of Mood States)により, 森林作業がボランティアの心理に与える影響について検討した。調査対象は, 鳥取県の森林ボランティアグループの下層間伐作業および学生による利用間伐作業である。作業が始まる直前と終了した直後にPOMS試験を行い, その変化量について分析した。その結果, 以下のことが明らかになった。日常的な運動習慣がある人や森林作業に慣れている人は, 森林作業によって有酸素運動特有のリフレッシュ効果やリラクゼーション効果を得る。一方, 森林作業に慣れていない人や日常的な運動習慣がない人は, 無理せずに自分のペースで作業を進めることができれば, これらの効果を得る可能性がある。来るべき高齢化社会において, 中高年の森林ボランティア作業による心身の健康維持および成長量が大きい健全な森林の造成が期待できる。