日本森林学会誌
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論文
カラマツとクリーンラーチ(グイマツ×カラマツ雑種F)のエタノール種子精選および発芽に及ぼすエタノール浸漬の影響
今 博計来田 和人
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2014 年 96 巻 4 号 p. 187-192

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抄録

カラマツとクリーンラーチ(グイマツ×カラマツ雑種F1)の充実種子とシイナ種子を分けるため,エタノールで比重選を行うとともに,エタノール処理が発芽に及ぼす影響について調べた。濃度99.5%のエタノールによって充実種子とシイナ種子を明確に選別できた。濃度99.5%のエタノールでは充実種子の94.0~97.3%が沈み,沈んだ種子の93.1~98.7%が充実種子であった。エタノール浸漬による発芽への影響はカラマツとクリーンラーチで異なった。真正発芽率は,カラマツではエタノール選で36.4~50.9%,無処理で66.7~81.0%であったのに対して,クリーンラーチではエタノール選で94.2%,無処理で88.3%であった。これらのことから,エタノール選によりカラマツとクリーンラーチでは充実種子とシイナ種子を高い精度で選別できること,しかしながら,カラマツではエタノール選により発芽率が低下する可能性があることを明らかにした。

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© 2014 一般社団法人 日本森林学会
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