日本林学会誌
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林木の生長生理に関する研究 (I)
キリ稚苗の無機元素の吸収について
古川 忠
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1960 年 42 巻 4 号 p. 142-144

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抄録

キリ実生苗を水耕液で培養し, 1週間おきに生長重量と根から吸収される無機元素(チツ素,燐,カリウム,カルシウム)の量を測定した。生長重量は6週間後まで直線的に増加したが,無機元素の吸収量は元素毎にちがつた値が得られた。すなわち養分元素の種類により,吸収される時期に差がある。また生体重量1gが増加するために,根から吸収されるチツ素,燐酸,カリウムの量は植物が大きくなるにしたがつて減少して行く。この原因は下層葉に含まれているこれ等の要素が上層の部分に転流するためであり,その転流を始める時期は最下屡の葉が成熟した時からであると考えられる。

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