1960 年 42 巻 4 号 p. 136-141
自然状態の容積重に関係する2, 3の条件の影響を風乾細土について検討した。
1) 風乾細土に一定の落し衝撃を加えていくと,その回数に応じて容積重はほぼ指数紬線的に増大していくようである。5cmの距離から落した場合,同一の土では約20回目の容積重は,いろいろな材料で,最初の土のつめ方に無関係にほぼ一定となつた。この時の値を密状態の容積重とよんでおく。
2) 密状態の容積重は土の真比重や粒径組成によつて変るけれども,団粒構造の発達の度合の影響の方がはるかに大きいように思われる。
3) 密状態の容積重は粒団の含有率によつて著しく変るようである。単粒状態のものでは粒径が大きくなるほど密状態容積重は大きくなり,団粒状態のものは逆に小さくなる傾向があつた。
従つて,風乾細土の密状感容積重は粒団の含有率,とくに大ぎい粒径部分のそれが密接に関係していると思われる。
4) 土性や真比重に著しい差異のない場合には,密状態の容積重は主として粒団の含有率によつて決定されると考えられる。このような場合,自然状態容稜重は密状態容積重に堆積の粗密による影響がつけ加えられたものとみることができるから,密状態,自然状態の2つの容積重の対比によって,自然状態容積重の変化を粒団の含有率と,堆積状態の変化の組み合せとして解析することができると考えられる。