日本林学会誌
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42 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 根曲り材積について
    羽田 清五郎
    1960 年 42 巻 4 号 p. 127-135
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    多雪地帯の傾斜地に生立する針葉樹では,積雪の機械的作用による根曲りが非常に多い。この根曲りは利用材積上,大きな損失をまねくにもかかわらず従来あまり調査されなかつた。これは問題の取り扱いが非常にむずかしいためと思われる。
    そこで,私はこの論文において,根曲り材積の測定法ならびにその正確度について研究した。真の根曲り材積はキシロメーターで測定した。以下結果をまとめで報告する。
    1)根曲り部分の断面形は,土地の傾斜方向に長径をもつ楕円形であることがわかつた。その長径,短径の高さ階に対する関係は抛物線式y=a+bx+cx2で表わされた。
    2)根曲り部分の内曲線(土地の傾斜方向の縦断面に関して峯側の曲線),外曲線(土地の傾斜方向の縦断面に関して谷側の曲線)はy=(a+bx)xで表わされた。
    3)第1の根曲り材積推定式として,
    V=l/90{32(G1/4+G3/4)+12G1/2+7(Gn+Go)}............HADA (I)を得た。
    Go....丸太の元口断面積
    G 1/4....元口より1/4の距離における断面積
    G 1/2....丸太の中央断面積
    G 3/4....丸太の元口より3/4の距離における断面積
    Gn....丸太の末口面積
    l....丸太の直線長
    4)第2の根曲り材積推定式として,
    V=G. R. α................................HADA (II)を得た。
    G....幹軸に直角な中央断面における楕円の面積
    R....楕円の重心の通る円弧の半径
    α....中心角(Radian)
    5) HADA (I)式は区分求積式と同様の正確度を持つが,やや負の誤差が多い。今各式の正確度の順序を示せば,
    1. HADA (I)
    2. SMALIAN区分求積
    3. BREYMANN
    4. RIECKE
    5. SIMONY
    6. SCHIFFEL
    7. HOSSFELD
    8. HADA (II)
    9. HUBER
    10.末口2乗法
    11. SMALIANである。HUBER,末口2乗法, SMALITAN式は特に誤差が多く,根曲り材の求積には使用できないことがわかつた。
    6)根曲り材積の全材積に対する割合は12.6~28.3%で,平均して約19%であつた。
  • 自然状態容積重に関係する土の性質について
    堤 利夫
    1960 年 42 巻 4 号 p. 136-141
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    自然状態の容積重に関係する2, 3の条件の影響を風乾細土について検討した。
    1) 風乾細土に一定の落し衝撃を加えていくと,その回数に応じて容積重はほぼ指数紬線的に増大していくようである。5cmの距離から落した場合,同一の土では約20回目の容積重は,いろいろな材料で,最初の土のつめ方に無関係にほぼ一定となつた。この時の値を密状態の容積重とよんでおく。
    2) 密状態の容積重は土の真比重や粒径組成によつて変るけれども,団粒構造の発達の度合の影響の方がはるかに大きいように思われる。
    3) 密状態の容積重は粒団の含有率によつて著しく変るようである。単粒状態のものでは粒径が大きくなるほど密状態容積重は大きくなり,団粒状態のものは逆に小さくなる傾向があつた。
    従つて,風乾細土の密状感容積重は粒団の含有率,とくに大ぎい粒径部分のそれが密接に関係していると思われる。
    4) 土性や真比重に著しい差異のない場合には,密状態の容積重は主として粒団の含有率によつて決定されると考えられる。このような場合,自然状態容稜重は密状態容積重に堆積の粗密による影響がつけ加えられたものとみることができるから,密状態,自然状態の2つの容積重の対比によって,自然状態容積重の変化を粒団の含有率と,堆積状態の変化の組み合せとして解析することができると考えられる。
  • キリ稚苗の無機元素の吸収について
    古川 忠
    1960 年 42 巻 4 号 p. 142-144
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    キリ実生苗を水耕液で培養し, 1週間おきに生長重量と根から吸収される無機元素(チツ素,燐,カリウム,カルシウム)の量を測定した。生長重量は6週間後まで直線的に増加したが,無機元素の吸収量は元素毎にちがつた値が得られた。すなわち養分元素の種類により,吸収される時期に差がある。また生体重量1gが増加するために,根から吸収されるチツ素,燐酸,カリウムの量は植物が大きくなるにしたがつて減少して行く。この原因は下層葉に含まれているこれ等の要素が上層の部分に転流するためであり,その転流を始める時期は最下屡の葉が成熟した時からであると考えられる。
  • 渋谷 欣治
    1960 年 42 巻 4 号 p. 145-149
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    ポケツトコンパス測量における距離測定の精度について考究した。平坦地における実測例では測距精度は平均1/164Gであつたが,三重大学演習林内における水平距離の精度は,高低角誤差の影響を受けるために平均1/165~1/256であつた。
    実験結果から距離灘定にあたり留意すべき事項として,定誤差の生じた測距具を用いないよう鋼巻尺と比較検定のうえ使用すべきこと,測線長の大なる場合は中間点における誤差を少なくすること,高低角測定は急斜地ほど慎重に測るべきことなどがあげられる。
  • 岩田 利治
    1960 年 42 巻 4 号 p. 150
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 平塚 直秀
    1960 年 42 巻 4 号 p. 151-156
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 山本 豊雄
    1960 年 42 巻 4 号 p. 157-161
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
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