抄録
アカマツの成木および2年生苗条から10日おきに試料を採取し,未成熟な細胞の層数と,貯蔵でんぷん量の相対的な変化を1966年2月から'67年1月まで調べた。未成熱細胞の層数は,成木では4月から5月にかけて最大となるが,苗条でははっきりした傾向はつかめなかった。
また,貯蔵でんぷんの量は,成木の二次篩部, 2年生苗条の当年生および2年生の茎のそれぞれの皮層および篩部と髄について顕微化学的に調べた。成木の二次篩部のでんぷん量は4月下旬から5月下旬にかけて最大となり, 8月下旬から9月下旬にかけて最小になり, 12月に2番目の山がみられた。また苗条の皮層および篩部と髄のでんぷん量は,その変化の様子が成木とは異なり, 4月から6月にかけて大きな山がひとつあり, 1月から2月にかけて最小となるのがおおよその傾向であった。
当年生の茎と2年生の茎との間には,でんぷん量の最大期間に大きな違いがあり,また,皮層および篩部と髄のでんぷん量の変化にも違いがみられた。
これらの結果をもとに,形成層活動の盛衰および細胞の成熟と貯蔵でんぷん最の増減との関係について,二,三の考察を行なった。